狩猟免許試験(第一種銃猟、わな)

本日、120名を超える受験者がひしめく北海道庁別館で、朝9時から狩猟免許を受けてきました。第一種銃猟免許と、わな猟免許です。合否の結果は「10日以内に全員に郵送する」とのことでしたが、結論からいうと、受かっていると思います。 メインの技能試験が減点方式なんですが、自己採点の限り減点は鳥獣判別1問間違いのみのはずだからです。

狩猟免許試験は、大きく分けて「知識試験」「適性試験」「技能試験」の3つがあります。このうち「知識」と「適性」は午前に行われ、これをパスしないと午後の「技能」に進めないしくみになっています。

知識試験

鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法令、猟具の構造や取扱い、鳥獣の形態や生態等、鳥獣の保護及び管理に関する、三肢択一式の合計30問の筆記試験。時間は約90分で、70%以上の得点が合格。

30問で70%ですから、21問が合格ラインというわけで、9問まで間違えることが許容されます。 まったくの無勉強でパスできるとは言い切れませんが、無勉で受けても半数くらいの人は受かるんじゃないでしょうか。ただ、猟に必要な(と思われる)知識ばかりなので、いずれにしても勉強は必須だと思います。自動車運転免許の学科試験みたいなもんですね。
ちなみに知識試験の開始は9時10分、早く終わった人は30分後に退席可能というルールでした。知識試験は免許の種別ごとに分かれています。銃猟を受ける人はまず銃猟から始め、それが終わり次第挙手して次の種別の試験問題をもらう、という流れになります。僕は銃とわなだったので、最初に銃の問題をもらい、読み返しを含め10分で終えました。その後、わなの問題をもらいましたが、こちらも10分で終わったので、残り10分は待たされることになりました。30分経過後、手早く試験終了の確認をしてもらい、混雑を避けるため一番乗りで飛び出しました。当日朝まで徹夜して一夜漬けで問題集を解いたかいがありました 笑。

適性試験

視力、聴力、四肢の屈伸等の運動能力に関する試験。一定の基準以上であれば合格(4種類の免許に共通)。

視力: 1から8までの数字が円周上に書かれたアナログ時計のような文字盤の中央に、視力検査でおなじみの「C」が出ては消える装置を使って検査します(なんていう器具なんだろ?)。「C」の切れ目が向いている方向にある数字を、例えばCなら右に書かれた数字「3」を答える、という具合です。
第一種・第二種銃猟免許の場合、両眼で0.7以上、かつ、1眼でそれぞれ0.3以上(ただし1眼が見えない者については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上あること)であることが求められます。ちなみに、網猟・わな猟免許の場合は、視力は、両眼で0.5以上(ただし1眼が見えない者については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上あること)とされています。

聴力: 視力検査のときの説明がちゃんと聞こえているかどうかで判断しているようです。

運動能力: 腕を開いたり脚を屈伸したりと、簡単な体操のような動きを指示され、それができればOKです。十数秒で終わります。

で、本番というべきが午後の「技能試験」ですね。
技能試験は、狩猟免許の種別によってそれぞれ異なりますが、鳥獣(獣類)の絵を見て判別するテストは同じ方式です。

第一種銃猟及び第二種銃猟免許の場合
猟具(各銃器)の操作方法、あらかじめ決められた距離の目測、鳥獣の種類等の判別に関する試験。採点は、減点方式で行われ、70%以上の得点が合格。

 

狩猟免許の種別 課題
第一種銃猟
  1. 模造銃(什器銃以外の銃器を模した物)について点検、分解及び結合の操作を行うこと。
  2. 模造銃に模造弾を装填し、射撃姿勢をとった後、模造弾の脱包を行うこと。
  3. 2人以上で行動する場合における銃器の保持及び携行並びにその受け渡しを模造銃を用いて行うこと。
  4. 休憩の際必要な銃器の操作を模造銃を用いて行うこと。
  5. 空気銃を模した物について圧縮操作をし、弾丸を用いないで装填の操作を行った後射撃姿勢をとること。
  6. 距離の目測を行うこと。
  7. 鳥獣の図画、写真又ははく製を見てその鳥獣の判別を瞬時に行うこと。
第二種銃猟
  1. 空気銃を模した物について圧縮操作をし、弾丸を用いないで装填の操作を行った後射撃姿勢をとること。
  2. 距離の目測を行うこと。
  3. 獣類の図画、写真又ははく製を見てその鳥獣の判別を瞬時に行うこと。

網猟免許及びわな猟免許の場合
網猟又はわな猟で使用できる猟具であるかどうかの判別、猟具の架設、鳥獣の種類等の判別に関する試験。採点は、減点式で行われ、70%以上の得点が合格。

狩猟免許の種別 課題
網猟
  1. 銃器及びわな以外の猟具を見て当該猟具の使用の是非を判別すること。
  2. 鳥獣法施行規則第2条第2号に掲げる猟具(網猟で使用できる猟具)の1つを架設すること。
  3. 鳥獣の図画、写真又ははく製を見てその鳥獣の判別を瞬時に行うこと。
わな猟
  1. わなを見て当該猟具の仕様の是非を判別すること。
  2. 鳥獣法施行規則第2条第3号に掲げる猟具(網猟で使用できる猟具)の1つを架設すること。
  3. 鳥獣の図画、写真又ははく製を見てその鳥獣の判別を瞬時に行うこと。

実際にやったこと

距離の目測: 外に出て、試験官が指す対象物までの距離を答える試験。ちゃんと目測ができるかを試すことで、銃猟の安全性を確保しようというわけです。距離は、10m、30m、50m、300mの4種類があり、それぞれに相当する対象物があらかじめ設定されているようです。「○○の看板まで何mですか?」といった具合に、4つの距離すべてに対して質問されます。これが案外、簡単なようで難しかった。特に30mと50mはなかなかきわどいです。甘くみず、少しトレーニングしてから臨んだほうがいいかも。

鳥獣の判別: 特定の鳥獣が描かれた紙を、紙芝居のように見せられるので、(1)それが狩猟鳥獣(獲っていい鳥獣)であるか否かを「獲れます」「獲れません」と答え、(2)「獲れます」と答えた場合はその種名を述べる、という試験です。これは覚えるしかありません。猟友会主催の講習会に申し込んだ際にもらえるテキストに載っており、似たような絵(ほぼ同じ絵?)が出るのでそれを覚えること。ちなみに今回は第一種銃猟とわな猟の2つを受けたんですが、これらは一度に続けてやります。「まず最初に第一種銃猟の判別試験を…」「では続いてわな猟を…」という具合です。銃のほうは鳥類も獣類もまんべんなく出ますが、わな猟は獣類相手ですので、対象となる獣と、間違えやすい獣が入り混じって出題されます。
# あ、そういえば講習会のことまだ書いてませんでした。それは追って。

銃の操作(個人): 第一種銃猟免許の場合は上下二連の散弾銃(模造銃)と空気銃(ポンプ式)の両方の操作について試験が行われます。これは、猟友会主催の予備講習会で事前にとにかくたくさん練習して、体に覚えさせるしかありません。

銃の操作(団体): 3人で小川を挟んで(いる想定で)立って、銃を受け渡したり受け取ったりする操作についての試験です。今回は全員スムースで助かりましたが、他人が関わってくるので、当たりが悪ければ掻き乱されることもあるかも…。

わなの判別・設置: 6つ並んだ猟具をそれぞれ法的に「使える」か「使えない」か判断して述べ、次に使える猟具のうちひとつを選んで架設(設置)します。通常、はこ罠(長方形の檻のようなわな)を使うしかないので、これも予備講習会でみっちり練習した成果を発揮するのみです。

減点方式ですから、以上をこなした時点で、銃は銃で70%、わなはわなで70%を守り切ればそれぞれ合格です。もちろんそれを切れば不合格となります。

主な減点事項 減点数
点検・分解及び結合ができない場合 31
銃口を人に向けた場合 10
用心鉄の中に指を入れた場合(※引き金に手が触れるに等しい状況です) 5
水平射撃の姿勢をとった場合(※人に当たるかもしれない角度) 5
(距離の)目測ができなかった場合 5

ポイント

主に銃猟免許のことになりますが、技能試験のポイントは次のとおりです。

  • 第一種では銃の「結合(組み立て)」が鬼門なので、講習会で徹底的に練習すること
  • 銃を「人に向けない」ための動作を、傘やほうきを使って特訓すること
  • 銃には、引き金に触れたら死ぬくらいの意識で触れること
  • 距離目測を甘くみないこと

さて、明後日2月9日は、北海道警察による猟銃等の取り扱いに関する講習会です。

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